そびえたつ大木を思い描いていた。
たくましく、太く、力に溢れている大きな木。
それが強いってことだと思っていた。
それに、なりたくて目指していた。
上ばかりみていた。
少しの風に吹かれ、
吹かれまいって踏ん張ったら折れてしまった。
道に倒れて見えたのは、
野原に生えている草たち。
背伸びもせず、ありのままの姿で風に吹かれている。
笑っているね。
なんて楽しそうなの!
草たちのしなやかさは
あまりにも強く、
そして、
美しい。
私も、ほんとはどこにでもある草花だったよね。
そうだよ、
ほんとの自分はここにあった。