武田信玄の言葉。


戦いの前に、縁起がいいとされる鳩がきたとうれしそうな兵士や臣下の前で鳩を撃ち落とした。

出陣する前に、鳩がきたら縁起がいいと喜ぶ者は、鳩が来なかったら、今度の戦いは危ういのでは、
と不安を抱くにちがいない。
そうすれば全軍の士気が下がる。
戦わずにして、負けたも同然ではないか。
ささいなことを信ずる惑いを解いてやったのだ。
むしろ、普段から戦いに備えて自己を練磨し、必勝の信念を持つべきである。

武田信玄重臣山県昌景の言葉。

二度、三度と続けて勝った者は、どうしても自惚れてしまう。
つい戦いを軽く見て、工夫をしなくなる。そのため、思いがけない過ちを犯すのだ。
私は、勝っても自慢しないように戒めている。
いつも初陣だと思って戦いに臨んでいるから、一度も不覚をとったことがないのだ。
何事も、油断すれば錆がつくものである。
武士は、寝ても覚めても油断してはならない。