夜回り先生水谷修さん(別冊PHP2006年増刊号より)

お父さんは会社で嫌な事があっても、妻や子どもにあたりちらし、
酒場で憂さを晴らせる。
お母さんも子どもにあたったり、買い物をしたり、主婦仲間で夫の
悪口を言ったりして憂さを晴らせる。
でも、子どもはどうすればいいんですか。
子どもにあるのは、家庭と学校だけ。なのに、
家庭で叱られ、学校でも叱られている。
先人は「子どもは十ほめて一叱れ」といいました。十ほめる中で人間関係をつくり、
心の強さ、自己肯定感、自信を持たせたうえで、一箇所だけ変えるのです。
それが、今の教師や親は十叱って、一もほめない。


「あなたは叱ってばかりいるけれど、あなたの生徒はそんなに悪い子なのか」
「とんでもない、いいところはいっぱいあるけれど、少し悪いところがあるから叱って
 もっとよくしたい」
と。言う、親や教師。


追い詰められた子どもたちには4つのパターンがある。
1つ目は、ガス抜きに「いじめ」をやるパターン。
これが一番多い。大人社会でもそうでしょ。
2つ目は元気がある子で彼らは自分の居場所を求めて夜の世界に飛び出し
夜の世界の大人の食い物にされ闇に堕ちる。
3つ目は普通に思いやりのある子で、他人をいじめることができず、
夜の街に出る元気もありません。やがて、現実から逃げて不登校になり、それが
エスカレートすると引きこもってしまいます。
最後の4つ目が最も優しい思いやりのある子。人をいじめられず、親に心配を
かけるからと学校も休めず、夜の街にもでられない。
無理に無理を重ねて心がパンパンに張り詰めて自傷行為に向かってしまうのです。



子どもの異変を察知するのには、夜眠っているかを見ればわかります。
夜中に子どもの部屋を開けてみて暗い部屋で携帯電話やメール、ネットをやっていたり、
しくしく泣いていたりしたら、その子は心にわだかまりを持っています。
心が病んでくると夜眠れなくなるのです。

痛い。
実に、胸にせまる。


私は母に対してよく思ったものだ。
信心していなかったら、今でも母を父を憎みきっていたに違いない。


よく、子どもの頃から泣いていたなあ。
いつも一人で、夜、布団のなかで、声を殺して。


子どもを叱るってむずかしい。
そこに感情が入っていないか?
とはいえ、
母親がどうしても孤立してしまう現在の子育て環境。
私は、信仰と組織に随分助けられている。
それを持たない若い母親たちは、どうだろう?
きっと追い詰められているママも多いはずだ。


やっぱり、私たちがしっかり政治・社会に関わって行かなくては。
そして、話そう。この信心の素晴らしさを。