ドイツの詩人、シルレルは「真の愛情を知る者は女性である」との至言を残していますが、愛による幸せの道を切り開く主体者は、女性であり、妻であり、母であるとの真理を動かすことはできないでしょう。
それにしても、このような女性の愛も、ともすれば自己愛に変質し、エゴのとりこになりがちなことも、決して否定できないと思うのです。
エゴの牢屋に閉じ込められた愛の変質は、女性の欠点ともされている受動的な姿勢、虚栄心の強さ、衝動的で移り気な心情などと結びついて、自らの不幸を呼び寄せ、さらには家族や、隣人の犠牲をしいる結果にもなりかねません。また自分の好みや、反感や、嫌悪の情動で、あらゆる出来事を判断するという欠陥を、周囲にまきちらすことにもなるものです。
ところが、開かれた愛の努力を忘れない賢明な女性においては、敏感な直感智、機敏な心情、やさしくも温かい情愛などが生かされ、さらには、社会的事象への関心を深めていきます。

(婦人抄 掲載 1974・4)


はっとする指導だった。
どこまでも成長していくね。
常に、前へ。